- ホテルの上級会員資格の対象となる「有効泊数」やポイント積算は、原則としてホテル公式サイトなど「対象予約経路」からの直接予約でのみカウントされる
- 楽天トラベルやJTB、Booking.comなどの予約サイト(OTA)経由の予約は、代わりにサイト独自のポイントやクーポンが貯まるが、ホテル側のポイント・上級会員資格の対象外になることが多い
- クレジットカードのポイント還元率は決済経路によって変わるため、「誰の・どのポイントを優先するか」を旅行の目的ごとに使い分けるのが基本戦略になる
ホテル予約サイト経由と直接予約、何が違うのか
ホテルの予約経路は大きく分けて、ホテルチェーンの公式サイトやアプリから予約する「直接予約」と、楽天トラベル・じゃらん・JTB・Booking.com・Expediaなどの「予約サイト(OTA:オンライン・トラベル・エージェンシー)」経由の予約の2種類がある。宿泊料金だけを見ると、キャンペーンやセールのタイミングによってはOTA経由の方が安くなることも珍しくない。しかし、マイル・ポイントの観点で見ると、この2つの予約経路には無視できない差がある。
ホテルチェーンが運営する会員プログラム(マリオットボンヴォイ、ヒルトン・オナーズ、IHGワンリワーズなど)では、宿泊によって「ポイント」と「有効泊数(エリート・ナイト)」の両方が積算される仕組みになっている。この積算は、原則としてホテル公式サイト・公式アプリ・電話予約など、プログラムが「対象」と定めた経路からの予約に限られる。OTA経由の予約は、たとえ同じホテル・同じ部屋タイプであっても、ポイントや有効泊数の対象外とされるケースが一般的だ。これは各社の公式ルールとして明記されているため、上級会員資格を目指す場合は特に注意したいポイントである。
上級会員資格を狙うなら直接予約が基本
ホテルの上級会員(エリートステータス)は、年間の宿泊数や滞在数、あるいは獲得ポイント数に応じてランクが上がっていく仕組みが一般的だ。例えば年間50泊で最上位ランクに到達するプログラムもあれば、年間で一定泊数に到達すると中間ランクの特典(客室無料アップグレード、レイトチェックアウト、ラウンジ利用など)が得られるプログラムもある。
ここで問題になるのが、OTA経由の予約は基本的にこの「有効泊数」にカウントされない、という点だ。せっかく年に10回ホテルに宿泊しても、その予約がすべて予約サイト経由であれば、上級会員資格の判定においては「0泊」として扱われてしまう可能性がある。上級会員を目指している、あるいはすでに上級会員資格を持っていて維持したいという読者は、宿泊予約は基本的に公式サイト・公式アプリから行うことを意識したい。
なお、一部のホテルチェーンでは、自社の予約サイトを頻繁に利用する会員向けに「ベストレート保証」を用意している場合がある。これは、同じ条件でOTAの方が安い料金を提示していた場合に、公式サイトでの予約でも同等以下の料金が適用される、あるいは追加の割引が受けられるという制度だ。条件や適用範囲はプログラムごとに異なるため、利用する際は必ず公式サイトで最新の規定を確認してほしい。
OTA経由で予約するメリットもある
一方で、OTA経由の予約が一概に不利というわけではない。第一に、OTA各社は独自のポイントプログラムを持っており、楽天トラベルであれば楽天ポイント、じゃらんであればPontaポイント(じゃらんポイント)、一休.comであれば一休ポイントというように、宿泊金額に応じたポイント還元が受けられる。還元率はキャンペーン時には10%を超えることもあり、通常時のホテル公式プログラムのポイント還元率(宿泊金額の数%程度が一般的とされる)と比較しても遜色ない、あるいはそれ以上になる場合がある。
第二に、OTAは複数のホテルチェーンを横断して比較・検索できるため、そもそも上級会員資格を持っていない、あるいは特定のホテルチェーンにこだわりがないという読者にとっては、価格やレビューを比較しながら選べる利便性が大きい。第三に、OTA独自の割引クーポンやポイントアップキャンペーンが頻繁に実施されており、時期によっては直接予約より総合的にお得になることもある。
つまり、「特定のホテルチェーンの上級会員資格を育てたい・維持したい」という目的であれば直接予約、「都度お得な宿を探したい・特定チェーンへのこだわりがない」という目的であればOTA経由、という使い分けが基本的な考え方になる。
比較表:直接予約とOTA経由の違い
| 項目 | ホテル公式サイト(直接予約) | 予約サイト(OTA)経由 |
|---|---|---|
| ホテル会員ポイントの積算 | 対象になるのが一般的 | 対象外になることが多い |
| 上級会員の有効泊数カウント | 対象になるのが一般的 | 対象外になることが多い |
| 上級会員特典(アップグレード等)の適用 | 受けやすい | 受けにくい、または対象外の場合がある |
| OTA独自ポイント・クーポン | 基本的になし | あり(還元率はキャンペーンで変動) |
| 料金の比較しやすさ | 単独ホテルのみ | 複数ホテル・複数サイトを横断比較できる |
| ベストレート保証などの制度 | プログラムによってはあり | 基本的になし |
この表からも分かる通り、どちらが「絶対的に得」というものではなく、目的によって最適解が変わってくる。特に上級会員資格の維持・昇格を目指しているシーズン中は、直接予約を優先した方が結果的に得られる特典の総量が大きくなる可能性が高い。
クレジットカードのポイント還元との組み合わせ方
宿泊予約の決済時には、クレジットカードのポイント還元率も合わせて考慮したい。多くのホテルチェーンは、自社発行の提携クレジットカードを持つ会員に対して、直接予約時のポイント還元率を通常より優遇する仕組みを設けている。例えば「公式サイトからの予約+提携カード決済」の組み合わせで、通常のポイント積算に加えてボーナスポイントが加算されるケースが公開情報として案内されている。
一方でOTA経由の予約であっても、決済に使うクレジットカードのポイント還元自体は通常通り受けられる。さらにOTAが提携している特定のカードを使うと、OTA側のポイントに加えてカード側のポイントアップキャンペーン対象になっていることもある。つまり「ホテル側のポイント・資格」を重視するなら直接予約+提携カード、「金銭的なポイント還元の最大化」を重視するならOTA経由+高還元カードや特定カードキャンペーンの活用、という軸で考えるとよい。
マイルを貯めている読者であれば、ホテル予約時のクレジットカード決済で貯まるポイントを、提携するJALマイルやANAマイルに交換できるカードを選ぶという方法もある。ただし交換レートやポイントの有効期限はカード・プログラムごとに異なるため、自分がメインで貯めているマイル・ポイントプログラムとの相性を事前に確認しておくことをおすすめする。
目的別に見るおすすめの使い分け
出張などで特定のホテルチェーンを年間通じて利用する機会が多い人は、上級会員資格の獲得・維持を見据えて基本的に直接予約を選ぶのが合理的だ。上級会員になれば無料の客室アップグレードや朝食無料特典、レイトチェックアウトなど、宿泊体験そのものが向上する特典が多く、長期的に見ると金銭的な還元以上のメリットを得られる場合がある。
一方、年に数回程度の旅行で、特定のホテルチェーンへのこだわりがそれほど強くない人は、OTAでの比較検索を軸にしつつ、ポイントアップキャンペーンのタイミングを狙って予約するスタイルが向いている。また、家族旅行やグループ旅行で複数室・複数日程の調整が必要な場合も、OTAの検索性・比較のしやすさが役立つ場面が多い。
なお、同じ旅行の中でも「メインの宿泊先は上級会員資格のあるホテルチェーンで直接予約」「延泊分や別都市の宿はOTAで割安に探す」というように、予約経路を旅程の中で使い分ける方法も一般的な考え方として紹介されている。一つの正解を決めるのではなく、旅行ごと・宿泊先ごとに目的を整理してから予約経路を選ぶ姿勢が、結果的にマイル・ポイントの取りこぼしを減らすことにつながる。
まとめ
ホテルの上級会員資格やホテル独自ポイントの積算を重視するなら直接予約、OTA独自のポイント・クーポンや複数ホテルの比較検索を重視するならOTA経由という使い分けが基本になる。さらにクレジットカードの決済ポイント還元やマイル交換のしやすさも合わせて考えることで、宿泊のたびに得られるポイント・特典を最大化しやすくなる。旅行の目的やホテルチェーンへのこだわりの強さに応じて、自分に合った予約経路を選んでいきたい。
※本記事の内容は執筆時点の情報です。年会費・還元率・キャンペーン内容は変更される場合があるため、お申し込み前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
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