- JAL・ANAとも、家族カードを持つ家族のマイルを合算して特典航空券に使える仕組みがある(JALは「JALカード家族プログラム」、ANAは「ANAカードファミリーマイル」)。
- JALは家族のマイルを本会員の口座に移してまとめる方式、ANAは各自の口座にマイルを残したまま、特典に交換するときに合算して使う方式という違いがある。
- 家族カードの年会費、登録できる家族の範囲、マイルの有効期限の扱いを確認してから選ぶと、端数のマイルを失効させずに済む。
なぜ「家族のマイル合算」が大切なのか
マイルを貯めていてよくある悩みが、「1人分では特典航空券に届かず、ちょっとずつ残ったまま期限切れになってしまう」というものです。たとえば家族4人で年に1〜2回帰省や旅行をすると、1人あたり数千マイルずつ貯まっていきます。ただ、国内線の特典航空券でも往復で1万マイル前後が必要になることが多く、子どもや配偶者の口座にある数千マイルは使い道がないまま眠りがちです。
たとえばANA国内線の特典航空券は、公開されている必要マイル表によると、時期(ローシーズン・レギュラーシーズン・ハイシーズン)と距離で変わり、短い路線のローシーズンでも往復1万マイル前後が目安です。家族4人がそれぞれ3,000マイル持っていても、1人ずつでは1枚も交換できません。けれども合算すれば1万2,000マイルになり、1人分の往復特典航空券に届く計算になります。
もう一つの理由はマイルの有効期限です。JAL・ANAのマイルは通常、積算した月から数えて36か月後の月末に失効します。少ないマイルが家族それぞれに散らばっていると、管理しきれずに失効しやすくなります。合算の仕組みを使えば、家族のマイルを1つの「財布」のように扱えるので、使い忘れを防ぐことにもつながります。
なお、「特典航空券を家族のために発券すること」と「家族のマイルを合算すること」は別の話です。前者はJAL・ANAとも本人のマイルで配偶者や二親等以内の親族などの分を発券できる仕組みがあり、カードを持っていなくても利用できます。この記事で扱うのは後者で、家族が個別に貯めたマイルをまとめて使う仕組みです。こちらは原則としてJALカード・ANAカードの家族カードを持っていることが条件になります。
JALカード家族プログラムの仕組み
JALカード家族プログラムは、JALカードの本会員と家族カード会員が登録すると、家族会員が貯めたマイルを本会員の口座に集めて特典に交換できるサービスです。公式サイトで公開されている情報によると、登録手数料はかからず、登録手続きをするとその後は家族会員のマイルが本会員側に自動で合算されていきます。
この方式の特徴は、マイルが本会員の口座に移ることです。メリットは、マイル残高が1か所にまとまるので「今いくら使えるか」がひと目で分かること。特典航空券の予約も本会員の口座から行うので、手続きがシンプルです。また、JALの特典航空券は本人に加えて配偶者や二親等以内の親族などの分も発券できるため、まとめたマイルで家族旅行の航空券を手配しやすくなります。
一方で注意点もあります。
- 合算されたマイルは基本的に家族会員側に戻せない:家族が離れて暮らすようになった場合など、後から分けたくなっても元に戻せないと考えておくのが無難です。
- 対象は家族カード会員:家族カードを発行していない家族のマイルは合算できません。家族カードの発行対象は、一般的に生計を同一にする配偶者・子ども(高校生を除く18歳以上)・両親などとされています。
- 小学生など未成年の子どもは対象外になりやすい:家族カードを持てない年齢の子どもが飛行機で貯めたマイルは、この仕組みでは合算できない点に注意が必要です。
なお、合算されたマイルの有効期限は、もともと積算されたときの期限を引き継ぐ形が基本とされています。合算したからといって期限が延びるわけではないため、「まとめたあとは期限が近いマイルから使う」という意識を持っておくと安心です。具体的な合算のタイミングや反映日は、JALカードの公式サイトで最新情報を確認してください。
ANAカードファミリーマイルの仕組み
ANAカードファミリーマイルは、ANAカードの本会員と家族カード会員が登録すると、特典航空券などに交換するときに家族のマイルを合算して使えるサービスです。JALとの大きな違いは、マイルが各自の口座に残ったままになる点です。普段はそれぞれの口座でマイルが管理され、交換するタイミングで家族のマイルを合わせて使うイメージです。
この方式のメリットは、マイルの持ち主が変わらないことです。たとえば子どもが独立して家族カードをやめた場合でも、それまで本人が貯めたマイルは本人の口座に残ります。また、自分のマイルを使うか家族のマイルを使うかを交換のたびに考えられるので、柔軟に使い分けられます。
注意点としては次のようなものがあります。
- 登録できる人数や家族の範囲に条件がある:本会員と家族カード会員が対象で、登録できる人数にも上限があります。正確な条件は公式サイトで確認してください。
- 合算して使える交換先が限られる:ファミリーマイルで合算できるのは、主に特典航空券などの一部の特典とされています。電子マネーや他社ポイントへの交換など、すべての交換先で合算できるわけではない点に注意しましょう。
- 残高の確認が少し手間:マイルが家族それぞれの口座に分かれているため、「合計でいくらあるか」を把握するには各自の残高を確認する必要があります。
また、ANAカードは国際ブランドやカード会社によって、家族カード利用分のショッピングポイントの扱いが異なります。家族カードで支払った分のポイントが本会員のポイントにまとめて加算され、本会員の口座へマイル移行される仕組みのカードもあります。その場合、ファミリーマイルが主に役立つのは、家族それぞれがフライトで貯めたマイルや、提携店で貯めたマイルということになります。手持ちのカードでどう扱われるかは、カード会社の案内で確認しておくのがおすすめです。
JALとANAの家族合算制度を比較
ここまでの内容を比較表にまとめます。年会費は代表的な一般カード(普通カード)の目安で、カードの種類や国際ブランド、マイル移行のオプションによって変わります。
| 項目 | JALカード家族プログラム | ANAカードファミリーマイル |
|---|---|---|
| 合算の方式 | 家族会員のマイルを本会員の口座に移してまとめる | 各自の口座に残したまま、交換時に合算して使う |
| 対象者 | JALカード本会員と家族カード会員 | ANAカード本会員と家族カード会員 |
| 登録手数料 | 無料(公式サイト記載) | 無料(公式サイト記載) |
| 一般カードの年会費の目安 | 本会員2,200円・家族会員1,100円(税込、初年度無料の場合あり) | 本会員2,200円・家族会員1,100円(税込、初年度無料の場合あり) |
| マイルの持ち主 | 合算後は本会員 | 各自のまま |
| 残高の把握 | 本会員の口座で一括確認できる | 各自の口座を確認する必要がある |
| 向いている家族 | マイルの管理を1人に任せたい家族 | 将来の独立なども考えて、各自のマイルを残しておきたい家族 |
年会費だけを見ると、一般カード同士ではほぼ同じ水準です。ただし、ショッピングでのマイル還元率を上げるオプション(JALカードの「ショッピングマイル・プレミアム」や、ANAカードのマイル移行コースなど)の扱いはカードごとに違います。家族カードにもオプションが適用されるのか、追加料金がかかるのかによって、家族全体のコストが変わります。申し込む前に、本会員と家族会員の両方にかかる年会費とオプション料金を合計して比べることが大切です。
また、上位カード(CLUB-Aカード、ゴールドカードなど)では家族会員の年会費も高くなります。家族カードを何枚発行するかで年間のコストは大きく変わるため、「合算できるマイル」と「家族カードの年会費の合計」を比べる視点も忘れないようにしましょう。
家族の合算で特典航空券に届くまでの具体例
ここでは、合算すると何が変わるのかを簡単な例で考えてみます。数字はあくまで考え方を示すためのもので、実際に貯まるマイル数は路線・運賃・カードの利用額によって変わります。
例:夫婦+大学生の子ども1人の3人家族の場合
- 本会員(夫):日常の買い物とフライトで年間8,000マイル
- 家族会員(妻):帰省のフライトとカード利用で年間4,000マイル
- 家族会員(大学生の子):帰省のフライトで年間3,000マイル
合算しない場合、夫は1年で8,000マイルなので、国内線の往復特典航空券(1万マイル前後が目安)にはぎりぎり届きません。妻と子どものマイルはさらに少なく、そのままでは使い道がほとんどありません。合算すると年間で約1万5,000マイルとなり、1年で国内線の往復特典航空券1人分に届き、残りを翌年に回せます。3年間続ければ合計は約4万5,000マイルになり、家族旅行で複数人分の特典航空券を手配できる可能性も見えてきます。
JALの場合は、こうしたマイルが本会員の口座に集まるので、家族旅行の発券を本会員がまとめて行えます。ANAの場合は、各自の口座にマイルがあるまま合算して交換するため、「今回は夫と妻のマイルを使い、子どものマイルは本人の就職後のために残しておく」といった使い方も考えられます。
ここで注意したいのが、合算によって期限が近いマイルから先に使われるかどうかです。仕組み上、どの順番でマイルが減るかはサービスの仕様によって決まります。失効が近いマイルがある家族がいる場合は、交換前に各自の有効期限を確認しておくと、無駄を減らせます。
また、家族カードの年会費とのバランスも考えておきましょう。上の例で家族カード2枚分の年会費が年間2,000円程度なら、合算で特典航空券に届くメリットのほうが大きいと考える人が多いでしょう。一方、家族がほとんど飛行機に乗らずカードも使わない場合は、年会費のほうが高くつくこともあります。「家族が年にどれくらいマイルを貯めるか」を一度ざっくり計算してから判断するのがおすすめです。
家族合算を活用するときの注意点とよくある勘違い
家族の合算はうまく使えば便利ですが、仕組みを誤解したまま使うと思わぬ失敗につながります。よくある勘違いを整理しておきます。
1. 家族カードを作るだけでは合算されない
JAL・ANAとも、家族カードを持っていても、専用の登録手続きをしないと合算は始まりません。家族カードの申し込みと同時に登録できる場合もあれば、あとから別途手続きが必要な場合もあります。カードが届いたら、登録が済んでいるかをマイページなどで確認しておきましょう。
2. マイレージ会員番号の紐づけを忘れやすい
子どもや配偶者が、家族カードとは別にマイレージクラブの会員番号を持っていることがあります。フライトのマイルが家族カードと紐づいていない番号に貯まっていると、合算の対象から外れてしまうことがあります。会員番号の統合や、予約時に正しい番号を入力しているかを確認しておくと安心です。
3. 合算できる家族の範囲はカードの発行条件に左右される
家族カードは、一般的に生計を同一にする家族が対象です。別居している親や、独立して生計を別にしている子どもは、家族カードの対象外になることがあります。家族の状況が変わったときは、カードの条件を満たしているかを改めて確認しましょう。
4. 特典利用者の登録とは別の手続き
ANAでは、本人以外が特典航空券を利用するには「特典利用者」として登録しておく必要があります。登録人数や変更のルールにも条件があるため、ファミリーマイルの登録とは別に確認しておきましょう。JALでも特典航空券を利用できる家族の範囲が決められています。
5. 離婚・独立などで状況が変わったときの扱い
JALのように本会員の口座へマイルを移す方式では、一度合算したマイルを後から分け直すのは基本的に難しいとされています。将来家族構成が変わる可能性がある場合は、この点も理解したうえで利用を決めましょう。
どちらを選ぶべき?家族のタイプ別の考え方
JALとANAのどちらの合算制度が向いているかは、「普段どちらの航空会社をよく使うか」が最も大きな判断基準です。合算制度の違いだけで航空会社を選ぶのではなく、まずは家族の生活圏や帰省先の路線から考えましょう。そのうえで、次のような視点を参考にしてください。
- マイル管理を1人に任せたい家族:JALカード家族プログラムのように本会員の口座へまとめる方式は、残高の確認も予約も1か所で済むので管理しやすいと言えます。
- 家族それぞれのマイルを残しておきたい家族:ANAカードファミリーマイルのように各自の口座に残す方式なら、子どもの独立後もそれまで貯めたマイルが本人に残ります。
- 家族カードの枚数が多くなりそうな家族:家族カードの年会費が人数分かかるため、上位カードを選ぶとコストがかさみます。まずは一般カードで始め、マイルの貯まり方を見てから上位カードを検討するのも一つの方法です。
- JAL・ANAを使い分けている家族:両方の家族カードを作ると年会費が二重にかかります。どちらかに寄せたほうがマイルがまとまりやすく、合算のメリットも大きくなります。
なお、合算制度以外にも、家族のマイルを効率よく使う方法として「本会員がまとめて貯めて、家族の分を発券する」という考え方もあります。家族カードの利用分が本会員のポイントにまとめて加算されるカードであれば、日常の買い物は家族カードで支払い、フライトのマイルは合算制度でまとめる、という組み合わせも考えられます。家族の支出の流れを一度整理して、最もマイルが集まりやすい形を選ぶとよいでしょう。
まとめ
- JALの「JALカード家族プログラム」は家族会員のマイルを本会員の口座にまとめる方式。ANAの「ANAカードファミリーマイル」は各自の口座に残したまま交換時に合算して使う方式。
- どちらも家族カードの発行と専用の登録が必要。家族カードの年会費とオプション料金を合計して、合算で得られるマイルと比べて判断する。
- マイルの有効期限は合算しても延びないのが基本。会員番号の紐づけ、特典利用者の登録、家族の範囲など、関連する手続きもまとめて確認しておく。
- どちらを選ぶかは、まず家族がよく使う航空会社で決め、そのうえで「1人で管理したいか、各自で残したいか」で考えると選びやすい。
※本記事の内容は執筆時点の情報です。年会費・還元率・キャンペーン内容は変更される場合があるため、お申し込み前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
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